君のすむ街(仮題)
知らない街を歩くのはとても楽しい。
こんな場所、こんな生活があったのかと。
そこに住まう「人」もあきらかに違う。
マーケティングっぽい、年齢層や職業みたいなのはモチロン違うんだけど、それよりも「笑顔」とかがなんか違う。
そう思った事柄を少しだけ。
先日、とある国へ訪れた。ウワサどおり皆、愛想なかった。
しかしだな。よくよく考えると「他人に愛想よくせなあかん」ということ自体が万国共通ではないので、それを責めてもしかたないのである。
思っていた以上に、タクシーの運ちゃんには英語が通じない。現在の職業と受けてきた教育に関係性があるのだろうか。そんなことも考えた。
そうか、でも彼らも兵役についていたことがあるはずなんだよな。(これでわかっちゃいますね。)
横顔がどことなくたくましく、それでいて寂しそうに見えてきた。
うん。なんか勝手に感傷だ。
どちらにしても、「こんにちは」と「ありがとう」だけは、そちらの国の言葉でキチンと伝えることにしていた。
ほんの少しだけだが、相手の愛想がよくなる気がするからだ。
また先日は、都心から電車・バスと乗り継いで2時間ほどのところに訪れた。
100以上の街区がある、広大な「ニュータウン」だ。
生まれてこのかた、引っ越しをばかりを繰り返してきた私は、土地に愛着をもたない。
けっして便利とはいえないこの場所に、なぜこれほどの人々がすむのか。
どうしてもマイホームが欲しかったのだろうか。
昔からこのへんに住んでいるからなのだろうか。
敷地内には、小学校・図書館・デイサービスなどが揃っている。
近所のオジサンらしき人が交差点に立ち、下校児童の交通整理をしている。
幼稚園では紅白帽をかぶった子どもたちが遊び、先生たちが優しく園庭を掃き掃除している。
どうやらこの「ニュータウン」は私が生まれた年から開発が始まったらしい。
なんだ、同い年じゃないか。水臭いヤツめ。
そう思うと、なんだかここがいじらしく、好きになった。
キリンジ - ニュータウン(歌詞)